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スキルアップを目指して!特定行為研修を受講するメリットとは?

スキルアップを目指して!特定行為研修を受講するメリットとは?


看護師さんはスキルアップを目的として、院内研修や外部研修に参加する人も多いですし、資格を取得するために学校に通うこともあります。

医療は日進月歩ですから、自ら学ぶ意識を持たないとついていけなくなってきます。特に急性期や最先端の医療を提供している病院では尚更です。

スキルアップのための資格としては、認定看護師や専門看護師がすぐに浮かぶと思います。
この2つ以外にもスキルアップの方法として、新しくできた、『特定行為に係る看護師の研修制度』というのがあります。

新しい制度のため、まだ知らないという看護師さんもいるかもしれませんし、言葉は知っているけれど良くわからないという人もいますよね。

ここではこの制度について簡潔に説明をしていますので、スキルアップを目指している看護師さんはぜひお読みください。

【特定行為の研修制度とは?】

特定行為に係る看護師の研修制度とは、2015年10月から始まった制度です。
この制度が作られた背景には、2025年問題があります。
2025年には、少子化が進むと同時に高齢者の割合が今までに経験したことのない状態を迎えます。

厚生労働省が調査した人口推移によると、2025年には人口の3人に1人が65歳以上となり、5人に1人が75歳以上となります。
また、全世帯の約7割が65歳以上の高齢者の単身世帯と、高齢夫婦のみの世帯になると予想されています。

これだけ高齢者が増えると、認知症や他の病気を抱えた人が増えることが容易に想像できます。
少子化に拍車がかかっていますので、医師や看護師といった医療に携わる人口は減っていると予測されます。

少ない人数で対応するためには、今の医療制度では限界があります。
医師の判断を待たずに、一部の診療の補助を看護師に任せることで、在宅医療の推進を図ろうという目的により、この制度ができ上がりました。

特定行為には手順書があり、それに基づいて行うようになります。
特定行為は気管カニューレの交換、胸腔ドレーンの抜去、とう骨動脈ラインの確保など、21区分38行為が指定されており、所定の研修を受けることで看護師が診療補助をすることができるようになります。

【特定行為に係る看護師になるための道のり】

では、特定行為ができる看護師さんになるためには、どのような研修を受ける必要があるのかまとめました。

◎受講資格

厚生労働省では、特に年齢制限や経験年数などの指定は明記されていません。
看護協会で開催している特定行為の研修の対象が認定看護師になっていますので、やはり十分な経験を重ねてきた看護師さんが対象と言えます。

◎研修機関

厚生労働省が指定した研修機関で研修を受けることが必要になります。
2017年3月現在で、全国に40施設が指定されていますが、どの施設でも特定行為すべての研修を受けられるわけではありませんので、受けたい研修を行っている施設を探す必要があります。

◎研修内容

特定行為の内容により、研修内容は変わり、研修期間も変わります。
研修をひとつ受けることで、全ての特定行為ができるようになるということではありません。
胸腔ドレーンの抜去と中心静脈カテーテルの抜去、インスリンの投与量の調整を行えるようにしたいと思うであれば、それぞれの研修を受ける必要があるのです。

どの研修でも、講義、実習、演習が行われることがほとんどで、その時間配分も研修により変動します。

◎研修費用

それぞれの行為で研修内容も期間も違いがありますので、費用にも違いが出ますので、研修機関への問い合わせが必要です。

【特定行為研修を受けるメリット】

希望の特定行為の種類によって研修期間や費用がかかります。多くの行為ができるようにと思うと、かなりの時間が必要になります。
Eラーニング等による遠隔教育もあるとはいえ、実習や演習を受けるためには研修機関に行く必要もあります。
それだけ大変な思いをして、研修を受けるメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

◎看護師さんができる行為の範囲が広がる

研修を受けることで、今まで医師の指示と到着を待たないとできない行為ができるようになりますので、看護師さんのできる範囲が広がります。
これまでよりも患者さんへの説明や対応の幅も広がり、やりがいを感じる場面が多くなります。

◎より専門的な知識を身につけることができる

今までよりの深い知識と技術を学ぶことができます。そのことが特定行為だけではなく、日常の看護ケアにも役立つこともあります。
患者さんへの対応や説明も、今まで以上に理論的に的確に行うことができるようになります。

◎患者さんの変化に対応しやすくなる

急変時やすぐに医師が来られないような状況でも、手順書により特定行為ができるようになりますので、患者さんへの迅速な対応が可能になります。

【特定行為研修のデメリットー研修を受ける時の注意点】

特定行為ができるようになることが、すべて良い方向に行くということでもありません。良い面もあれば、注意しておくべき部分もあります。

◎医師の代わりになってしまう可能性がある

特定行為ができるようになったことで、医師不在の医療を作ってしまう可能性があります。
元々の看護師さんの仕事である、療養上のお世話、診療の補助といった部分がおろそかになるのではないかという危惧もあります。

◎何かあった時の責任が不明確になる

医師への報告をして、指示の元に行為を行いますが、医師は直接患者さんの状況を確認せずに指示を出すこともあり得ます。
行為の結果さらに状況が悪くなった時に、責任がどこにあるのかがわかりにくいという問題も発生します。

◎看護師への精神的負担が増える

医師と看護師さんでは、根本的に勉強をしている内容が違います。
経験のある看護師さんが研修を受けるとはいえ、基本的な知識の違いがあるため、研修を受けただけで特定行為をすることは、看護師さんの精神的な負担が増えることになります。

◎患者さんが不安になる恐れがある

今まで医師が行ってきたことを看護師さんがするということで、患者さんが不安を感じてしまう可能性もあります。
治療は医療者と患者さんの信頼関係がなくては上手く行かないこともあります。患者さんに信頼してもらい、安心して治療してもらうために今まで以上に努力と工夫が必要になります。

◎研修後の待遇は変わらない

特定行為の研修を受けたからといって、資格が与えられる訳ではありません。特定行為ができるようになるだけですので、役職手当や資格手当などはつきません。
負担が多くなるにもかかわらず、研修後に待遇が良くなることも今現在ではありません。

【どのような活躍ができるか未知数】

2015年に始まったばかりの制度ですので、どうなっていくのかは未知数です。
毎年100名以上の看護師さんが研修を受けて、特定行為ができるようになっていますが、研修後どのような活動をしているのか、実際に特定行為をどのくらい行っているかというデーターは出ていません。

超高齢化社会に向けて、看護師さんの役割に変化が出てくることは確実です。
どのような状況になったとしても、対応できるように準備をしておく必要があります。

ですが、研修を受けるためには仕事を長期間休まなくてはいけない場合も出てきますので、職場での協力が不可欠になります。
まずは職場が研修への参加を積極的に支援してくれるかを確認する必要もありますね。

職場環境もあると思いますが、興味のある分野や、知識を深めたい知識がある人は、研修を受けてスキルアップを目指してみるのもお勧めです。